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新型コロナワクチンQ&A
Q1 新型コロナワクチンの種類によって副反応のリスクに差はありますか。
別々に臨床試験が実施されているので単純に比較はできませんが、ファイザーのワクチンよりもモデルナのワクチンの方が一般的な副反応の発生頻度は高いようです。またモデルナのワクチンでは、接種から約1週間後に、接種した部位の痛みや腫れなどが遅れて出ることが多かったと報告されています。ただしほとんどが軽症で、速やかに回復しています。
まれに起こる重篤な副反応としては、心筋炎や心膜炎が疑われる報告の頻度が、ファイザーのワクチンに比べてモデルナのワクチンの方が高いことが知られています。アストラゼネカのワクチンに関しては、ワクチン接種後に血小板減少症を伴う血栓症、毛細血管漏出症候群、ギラン・バレー症候群などの神経疾患を発症した例が、海外で報告されています。血小板減少症を伴う血栓症についてはファイザー、モデルナのワクチンでも疑い例が出ていますが、これまでのところ、アストラゼネカのワクチンほどには関連性が明らかになっていません。
なお、まれなアレルギー反応との関連が懸念されているポリエチレングリコール(PEG)は、添加剤として3種のワクチン(ファイザー、モデルナ、アストラゼネカ)すべてに含まれています。
3種いずれのワクチンにも高い有効性があること、いずれも重篤な副反応の頻度がまれであることを踏まえると、現時点では接種のメリットが副反応のリスクのデメリットを上回っていると考えられます。いずれかのワクチンを接種できるときに接種することをお勧めします。
Q2 海外ではもうマスクをしていなかったり、大規模なイベントを満員で開催している国もあるようです。日本とは何が違うのですか。
2021年夏に行われた欧州のサッカー大会「EURO2020」などで、多くの人がスタジアムに詰めかけマスクなしで観戦しているのをテレビなどで見て疑問に思った人もいるかもしれません。日本よりも先に、新型コロナワクチン接種が2021年初頭から本格化した欧州各国、米国などでは、ワクチン接種率の上昇も日本より早く、2021年5〜6月頃からはレストランやスポーツジム、美術館などの利用が段階的に再開され、企業の在宅勤務も解除されました。
また、もともと感染症に対してマスクを着用する習慣がなかった欧米では、新型コロナウイルス感染症対策の一環としてマスク着用を促進するために法律でマスク着用を義務化していましたが、感染率が低下して義務化が解除されると同時に、マスクを着用しなくなったと考えられます。例えば英国では2021年7月から室内を含めてマスク着用は法的義務ではなくなり、それと同時に公共交通機関などでもマスクをしている人は少数派となっています。
ただし新型コロナワクチンの接種率が上がっても、感染が完全に防げるわけではありません。ワクチンの効果で重症者数、死者数は抑えられてはいますが、再び感染者数が増えてきている国も少なくありません。重症化リスクが高い人に感染を広げないためにも、感染流行が続いている間は、イベント参加やスポーツ観戦、近距離で人と話す際などには引き続きマスクを着用するなど感染予防対策を取ることが、正しい対応だと考えられます。
このコーナーでは、新型コロナウイルスワクチンと治療薬に関するQ&Aを毎週2題ずつ掲載していきます。
Q&Aは電子書籍『新たなギモンに日米欧の医師らが総力回答! 新型コロナワクチン・治療薬 最新Q&A50』からの転載です。
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